この記事の比較条件
この記事では、2026年7月時点のトヨタ公式情報をもとに、bZ4Xと同クラスのガソリンSUVで、年間1万km走った場合の走行に必要な電気代・ガソリン代を比較します。
比較条件は次のとおりです。
- 年間走行距離:1万km
- bZ4X:Z・前輪駆動車
- bZ4Xの交流電力量消費率:121Wh/km(WLTCモード)
- 自宅充電の電気料金:1kWhあたり31円と仮定
- ガソリンSUVの燃費:1Lあたり13kmと仮定
- ガソリン価格:1Lあたり175円と仮定
この条件で単純計算すると、年間の走行エネルギー代は次のようになります。
- bZ4X:約3万7,500円
- ガソリンSUV:約13万4,600円
- 差額:約9万7,100円
月平均に換算すると、走行エネルギー代の差は約8,100円です。
ただし、bZ4Xの実際の電気代には充電時の損失が加わるため、家庭の電気メーターで確認する使用量は、この単純計算より多くなる場合があります。また、外出先の急速充電を利用する場合は、充電事業者の料金体系によって費用が変わります。
この比較には、車両価格、購入時の補助金、自宅充電設備の設置費用、任意保険、駐車場、車検、タイヤ、ローン金利などは含めていません。
そのため、「bZ4Xなら必ず年間10万~15万円安い」とは一律に判断できません。まずは走行に必要なエネルギー代を比較し、その後に税金や整備費、購入費用を分けて確認します。
年間1万km走った場合のエネルギー代比較
ここでは、冒頭で示した条件を使い、走行に必要な電気代とガソリン代だけを比較します。
| 比較項目 | bZ4X | ガソリンSUV |
| 計算条件 | 121Wh/km | 13km/L |
| 年間に必要な電力・燃料 | 約1,210kWh | 約769L |
| 1年間のエネルギー代 | 約37,500円 | 約134,600円 |
| 1か月平均 | 約3,100円 | 約11,200円 |
この条件では、bZ4Xの方が年間約9万7,100円、月平均では約8,100円低い計算になります。
計算式は次のとおりです。
- bZ4X:10,000km × 0.121kWh × 31円=37,510円
- ガソリンSUV:10,000km ÷ 13km/L × 175円=約134,615円
ただし、これは走行に必要なエネルギー代の単純比較です。bZ4Xでは充電時の損失、季節、エアコンの使用、走行環境などによって実際の電気代が変わります。
ガソリンSUVも、車種、駆動方式、渋滞、運転方法などによって実燃費が変わります。この金額をすべての人に当てはまる確定額として見ることはできません。
電気料金・ガソリン価格で差額は変わる
エネルギー代の差は、契約している電気料金と給油する地域のガソリン価格によって変わります。
年間1万km走行する場合、bZ4Xの電気代は次のようになります。
| 電気料金の仮定 | 年間の電気代 |
|---|---|
| 1kWhあたり25円 | 約30,300円 |
| 1kWhあたり31円 | 約37,500円 |
| 1kWhあたり40円 | 約48,400円 |
一方、燃費13km/LのガソリンSUVでは次のようになります。
| ガソリン価格の仮定 | 年間のガソリン代 |
|---|---|
| 1Lあたり160円 | 約123,100円 |
| 1Lあたり175円 | 約134,600円 |
| 1Lあたり190円 | 約146,200円 |
自宅で比較的安く充電でき、年間走行距離が多い人ほど、bZ4Xのエネルギー代のメリットは出やすくなります。
一方、外出先の有料充電を多く利用する場合や、年間走行距離が少ない場合は、車両価格や充電設備の費用まで回収できるとは限りません。
「EVは走るほど必ず得」と考えるのではなく、自分の電気料金、年間走行距離、外出先充電の利用頻度を使って計算することが大切です。
税金・メンテナンスは項目ごとに比較する
bZ4Xは電気自動車のため、エンジンオイルやオイルフィルター、点火プラグなど、ガソリンエンジンに必要な部品の交換はありません。
ただし、メンテナンス費用がかからないわけではありません。bZ4Xにも、次のような点検や交換が必要です。
- タイヤ
- ブレーキフルード
- ワイパーゴム
- エアコンフィルター
- 12V補機バッテリー
- 冷却装置などの点検
- 車検や法定点検
特にタイヤ代は注意が必要です。交換費用は車種名だけでなく、購入するグレードのタイヤサイズ、銘柄、交換時期によって変わります。
また、電気自動車はエコカー減税などの対象になる場合がありますが、適用される制度や期間、登録時期によって税額が変わります。
そのため、「重量税はずっとかからない」「自動車税が必ず無料」と考えるのは正確ではありません。購入時には、販売店の見積書で次の項目を確認してください。
- 購入時に必要な税金
- 初回車検時の重量税
- 毎年の自動車税
- 補助金の対象額と申請条件
- 定期点検や消耗品の費用
bZ4XとガソリンSUVの維持費を比較する場合は、燃料代だけでなく、同じ保有期間で税金と整備費用を見積もることが大切です。
bZ4XとガソリンSUVはどちらが向いている?
bZ4XとガソリンSUVのどちらが得かは、走行距離だけでなく、充電環境や購入価格、車の使い方によって変わります。
bZ4Xが向いている人
- 自宅に普通充電設備を設置できる
- 年間走行距離が比較的多い
- 通勤や買い物など、日常の移動が中心
- 帰宅後に充電する生活に無理がない
- 遠出の際に充電場所を確認できる
- 購入価格や充電設備費を含めて比較できる
自宅充電ができ、日常的に車を使う人は、ガソリン代に対する電気代のメリットを得やすくなります。
ただし、電気代が安くても、車両価格や充電設備の費用を短期間で回収できるとは限りません。
ガソリンSUVが向いている人
- 自宅に充電設備を設置できない
- 外出先での充電時間を取りにくい
- 長距離移動が多く、予定を変えにくい
- 近くに利用しやすい充電施設が少ない
- 年間走行距離が少ない
- 充電残量を気にせず使いたい
外出先の充電だけでbZ4Xを利用する場合でも、必ずガソリン車と同じ費用になるわけではありません。ただし、充電料金や待ち時間を含めて判断する必要があります。
「EVかガソリン車か」だけで決めるのではなく、自宅充電の可否、年間走行距離、長距離移動の回数、購入総額を同じ条件で比較しましょう。
bZ4Xを購入する前に確認したい注意点
自宅充電設備の費用も含めて考える
自宅充電を利用する場合は、車両代とは別に、コンセントや充電器、配線工事などの費用がかかることがあります。
工事費用は、分電盤から駐車場所までの距離、住宅の配線状況、設置する充電設備などによって変わります。
購入前には、次の項目を確認しましょう。
- 自宅に充電設備を設置できるか
- 充電器・コンセント本体の価格
- 配線工事を含めた見積額
- 電気契約の変更が必要か
- 集合住宅の場合は管理会社の許可が取れるか
自宅充電ができない場合は、普段利用できる充電施設の場所、料金、営業時間、混雑状況も確認する必要があります。
駆動用バッテリーの保証内容を確認する
トヨタ公式では、bZ4Xの駆動用バッテリーについて、10年または20万kmまでの保証を案内しています。
バッテリーに不具合が発生した場合の修理に加え、新車時と比べて充電できる量が70%未満になった場合の交換保証も案内されています。
ただし、保証には適用条件があります。中古車を購入する場合は、次の点を販売店へ確認してください。
- 初度登録年月
- 現在の走行距離
- バッテリー保証の残り期間
- 保証を引き継ぐための条件
- 点検や整備履歴
- 充電できる量の状態
- 事故や修理の履歴
「短期間で交換することはほぼない」と断定するのではなく、購入する車両ごとに保証期間とバッテリーの状態を確認することが大切です。
中古車販売目線で見るbZ4Xの確認ポイント
中古のbZ4Xは、新車より車両価格を抑えられる場合があります。ただし、価格だけで判断せず、保証、バッテリー、充電用品、タイヤなどを確認することが大切です。
購入前には、次の項目を確認しましょう。
- 初度登録年月と走行距離
- 駆動用バッテリー保証の残り
- 保証を引き継ぐための条件
- バッテリーの点検結果
- 普通充電・急速充電が正常にできるか
- 充電ケーブルなど付属品の有無
- タイヤ4本の残り溝と摩耗状態
- 下回りや足回りの傷
- 修復歴と整備記録簿
- リコールや改善対策の実施状況
同じbZ4Xでも、年式やグレードによって航続距離、装備、充電性能などが異なる場合があります。車名だけで比較せず、購入予定車の年式とグレードを確認してください。
また、購入後に自宅充電を利用する場合は、車両を契約する前に充電設備の設置可否と工事費用を確認しておくと安心です。
EVではエンジンオイル交換が不要ですが、タイヤ、ブレーキ、12V補機バッテリーなどの点検や交換は必要です。特にタイヤは高額になることがあるため、購入予定車のサイズで交換費用を見積もっておきましょう。
中古のbZ4Xを選ぶときは、「安く買えるか」だけでなく、購入後に充電しやすいか、保証を利用できるか、近いうちに交換が必要な消耗品がないかまで確認することが大切です。
まとめ
年間1万km走行し、次の条件で比較した場合、
- bZ4X:121Wh/km、電気料金31円/kWh
- ガソリンSUV:燃費13km/L、ガソリン価格175円/L
走行に必要な年間のエネルギー代は、次の計算になります。
- bZ4X:約3万7,500円
- ガソリンSUV:約13万4,600円
- 差額:約9万7,100円
ただし、これは走行に必要な電気代とガソリン代だけを比べた結果です。
実際の維持費には、次の費用も関係します。
- 車両価格
- 自宅充電設備の設置費用
- 外出先での充電料金
- 税金と補助金
- 任意保険
- 車検と定期点検
- タイヤなどの消耗品
- ローン金利
そのため、bZ4Xがすべての人にとって年間10万~15万円安くなるとは限りません。
自宅充電ができ、年間走行距離が多い人は、エネルギー代のメリットを得やすくなります。一方、自宅充電ができない人や長距離移動が多い人は、充電料金、充電場所、充電時間まで含めて判断する必要があります。
購入前には、自分の年間走行距離と電気料金を使って計算し、車両価格や充電設備費まで含めた総額で比較しましょう。
中古のbZ4Xを検討する場合は、バッテリー保証、充電ケーブル、タイヤ、整備履歴、リコール対応なども確認してください。
参考情報
本記事は、2026年7月24日に以下のトヨタ公式情報を確認して作成しています。
本記事で使用した電気料金、ガソリン価格、ガソリンSUVの燃費は、比較のために設定した仮定です。実際の料金や燃費は、契約内容、地域、車種、走行環境などによって変わります。
また、補助金や税制優遇の内容は変更される可能性があります。購入時は、トヨタ公式サイト、販売店、国や自治体の最新情報をご確認ください。

