雪道で車がスタックしたら?脱出手順とやってはいけない行動

車のトラブル・悩み

雪道でタイヤが空転し、車が前にも後ろにも動かなくなった場合は、アクセルを強く踏み続けないでください。

タイヤが空転すると雪を掘り、さらに深くはまる可能性があります。

まず周囲の安全を確認し、次の順番で対処しましょう。

  1. アクセルから足を離す
  2. ハザードランプを点灯する
  3. タイヤと車体下部の雪を取り除く
  4. 取扱説明書で駆動輪と脱出時の操作を確認する
  5. ゆっくり発進を試す
  6. 脱出できなければ救援を依頼する

道路上、吹雪、夜間など、車外へ出ること自体が危険な場合は、自力で作業しないでください。

この記事では、雪道で車がスタックしたときの脱出手順と、状況を悪化させる可能性がある行動を解説します。

雪道でのスタックとは

スタックとは、タイヤが空転したり車体下部が雪に乗り上げたりして、車が動けなくなる状態です。

主な原因には次のようなものがあります。

・タイヤの周囲に深い雪がある
・タイヤが凍結した路面で滑っている
・車体下部が雪に乗り上げている
・駆動輪へ十分な重さがかかっていない
・冬用タイヤの溝や性能が不足している
・坂道や未除雪路へ進入した
・アクセルを踏みすぎて雪を掘った

4WD車でも、タイヤが雪をつかめなかったり、車体下部が雪に乗り上げたりすればスタックします。

「4WDだから脱出できる」と考えず、無理に動かさないことが大切です。

最初に周囲の安全を確認する

脱出作業を始める前に、現在地と周囲の状況を確認してください。

ハザードランプを点灯する

道路上で動けなくなった場合は、ハザードランプを点灯し、後続車へ停止していることを知らせます。

夜間や吹雪では、停止車両が見えにくくなります。

ただし、交通量の多い道路や視界の悪い場所では、車外へ出ること自体が危険です。

高速道路では自分で脱出作業をしない

高速道路の本線上や路肩で動けなくなった場合は、車の周囲で除雪や脱出作業をしないでください。

可能であれば安全な場所へ避難し、次の窓口へ連絡します。

・道路緊急ダイヤル「#9910」
・警察「110番」
・JAF「#8139」
・加入している自動車保険のロードサービス

現在地を伝えるときは、道路名、進行方向、近くのインターチェンジ、キロポストなどを確認しましょう。

吹雪や夜間は無理に車外へ出ない

吹雪、夜間、交通量の多い道路、急な坂道などでは、自力での作業を中止したほうが安全です。

車が突然動き出したり、後続車にはねられたりする危険があります。

自力で脱出できそうかだけでなく、安全に作業できる場所かどうかで判断してください。

手順1|アクセルを強く踏まない

タイヤが空転しているときにアクセルを踏み続けると、雪を掘ってしまいます。

タイヤの下に深いくぼみができると、脱出がさらに難しくなります。

次のような状態になったら、いったん操作を止めましょう。

・エンジン音だけが大きくなる
・タイヤだけが回っている
・車が左右へ振れる
・焦げたような臭いがする
・警告灯が点滅する
・車体が雪へ沈んでいく

焦げた臭い、煙、異音、警告表示などがある場合は、それ以上操作しないでください。

手順2|タイヤ周辺と車体下部の雪を確認する

安全に車外へ出られる場合は、タイヤ周辺の状態を確認します。

駆動輪を確認する

エンジンやモーターの力が伝わるタイヤを駆動輪といいます。

一般的な違いは次のとおりです。

・FF車:前輪
・FR車:後輪
・4WD車:前後のタイヤ

ただし、4WDの仕組みは車種によって異なります。正確な内容は取扱説明書で確認してください。

タイヤの前後にある雪を取り除く

スコップがある場合は、駆動輪の前後にある雪を取り除きます。

進みたい方向だけでなく、反対側の雪も取り除いておくと、車を少し前後に動かせる可能性があります。

タイヤの接地面付近に固い雪や氷がある場合も、できる範囲で除去してください。

車体下部も確認する

タイヤの周囲だけでなく、車体下部に雪が詰まっていないか確認します。

車体下部が雪に乗り上げている場合は、タイヤが路面へ十分に接地していない可能性があります。

この状態では、タイヤ周辺だけを除雪しても脱出できません。

ただし、車体の下へ潜り込むのは危険です。車の横から届く範囲だけ作業し、無理な場合は救援を依頼しましょう。

手順3|専用の脱出用品で滑りにくくする

除雪してもタイヤが滑る場合は、タイヤと路面の間を滑りにくくします。

使用できるものには次のような用品があります。

・自動車用の脱出プレート
・タイヤチェーン
・道路脇の砂箱に用意された砂

脱出プレートは、製品の説明書に従って駆動輪へ設置してください。

タイヤが回転すると、敷いた物が後方へ勢いよく飛び出すことがあります。車の前後や近くに人を立たせないでください。

フロアマットや段ボールは使わない

車内のフロアマットや段ボールをタイヤの下へ敷く方法を見かけることがありますが、おすすめできません。

・タイヤの回転で飛び出す
・車体の下へ巻き込まれる
・破損して道路上へ散らばる
・フロアマットを車内で使えなくなる

JAFも、フロアマットでは効果的ではないため、専用の道具を使用するよう案内しています。

手順4|ゆっくり発進する

雪を取り除き、脱出用品を設置したら、ハンドルをできるだけまっすぐにします。

タイヤの向きが大きく曲がっていると、前へ進むために必要な力が増える場合があります。

アクセルは強く踏まず、車がゆっくり動き出す程度に操作してください。

車種に次のような機能がある場合は、取扱説明書で使用方法を確認します。

・スノーモード
・ぬかるみや悪路から脱出するモード
・2速発進機能
・トラクションコントロールの一時解除機能

電子制御を切れば必ず脱出できるわけではありません。

車種によって操作方法や使用条件が異なるため、インターネット上の情報だけで機能を解除しないでください。

車を前後に動かす場合の注意点

JAFでは、タイヤがスリップした場合や新雪にはまった場合、車をゆっくり前後に動かしてタイヤ周辺の雪を踏み固める方法を案内しています。

ただし、前進と後退の切り替えには注意が必要です。

・タイヤを空転させない
・車が完全に止まってからシフトを切り替える
・アクセルを急に踏まない
・人を車の前後へ立たせない
・何度も繰り返さない
・異音や警告表示が出たら中止する

車が動いている最中にDとRを切り替えると、変速機などへ負担がかかる可能性があります。

車種によっては前後へ動かす方法が適さない場合もあるため、取扱説明書の案内を優先してください。

同乗者や通行人に押してもらう場合の危険

人に車を押してもらうと、脱出できる場合があります。

一方で、次のような事故が起こる危険もあります。

・押している人が転倒する
・タイヤに巻き込まれる
・車と障害物の間に挟まれる
・脱出した車が急に前進する
・後続車にはねられる

坂道、交通量の多い道路、吹雪、夜間、深い雪などでは、人に押してもらわないでください。

実施する場合でも、運転者と補助する人が合図を決め、車の進行方向やタイヤの近くに立たないことが重要です。

少しでも危険を感じる場合は、ロードサービスを呼びましょう。

やってはいけない行動

雪道でスタックしたときは、次のような行動を避けてください。

アクセルを強く踏み続ける

タイヤが雪を掘り、さらに深くはまる可能性があります。

タイヤや駆動装置などへ負担がかかることもあります。

電子制御を自己判断で解除する

トラクションコントロールなどを一時的に解除すると脱出できる車種もありますが、すべての車に当てはまる方法ではありません。

解除方法や使用条件は、取扱説明書で確認してください。

車の下へ潜る

雪の上では車体が不安定になっている可能性があります。

車体下部の雪を取り除くために、車の下へ潜り込まないでください。

適当な場所へけん引ロープを取り付ける

バンパー、足回り、けん引用ではない金具などへロープを取り付けると、部品が破損する可能性があります。

切れたロープや外れた部品が飛び、人へ当たる危険もあります。

けん引する場合は、車両の取扱説明書に記載された位置と、車両に適合する用品を使用する必要があります。

取り付け位置や方法が分からない場合は、ロードサービスへ依頼してください。

車を離れたままにする

道路上へ車を残すと、除雪作業やほかの車の通行を妨げる可能性があります。

やむを得ず車を離れる場合は、警察や道路管理者などへ連絡し、係員の指示に従ってください。

すぐに救援を依頼したほうがよい状況

次のような場合は、自力での脱出を中止しましょう。

・高速道路上で動けなくなった
・交通量の多い道路上にいる
・夜間や吹雪で周囲が見えない
・急な坂道で止まっている
・雪が深く車体下部が乗り上げている
・タイヤが側溝へ落ちている
・車が傾いている
・焦げた臭い、煙、異音がある
・警告灯が点灯している
・数回試しても動かない
・子ども、高齢者、体調の悪い人が同乗している
・燃料や駆動用バッテリーの残量が少ない

救援を依頼するときは、次の情報を伝えると状況を説明しやすくなります。

・現在地
・道路名と進行方向
・車名
・FF、FR、4WDのどれか
・タイヤが空転しているのか
・車体下部が雪に乗り上げているか
・側溝への落輪があるか
・同乗者の人数と体調
・燃料またはバッテリーの残量

JAF、自動車保険に付帯するロードサービス、道路管理者などへ相談してください。

救援を待つ間は一酸化炭素中毒に注意する

雪に囲まれた状態でエンジンをかけ続ける場合は、マフラー周辺を確認してください。

排気口が雪でふさがれると、排気ガスが車内へ入り、一酸化炭素中毒になる危険があります。

一酸化炭素は色や臭いだけでは気づきにくく、命に関わります。

救援を待つ間は、次の点に注意してください。

・マフラー周辺を定期的に除雪する
・適切に換気する
・暖房をつけたまま眠り込まない
・頭痛、吐き気、めまいなどがあればすぐに119番へ連絡する
・燃料の残量にも注意する

吹雪などで車外へ出ることが危険な場合は、無理に除雪せず、110番や119番へ現在の状況を伝えて指示を受けてください。

電気自動車は走行用モーターから排気ガスを出しませんが、暖房によって駆動用バッテリーを消費します。残量を確認しながら、防寒着や毛布も利用しましょう。

スタックに備えて車へ積んでおきたい物

雪道を走る可能性がある場合は、次の用品を用意しておくと安心です。

・雪かき用スコップ
・自動車用の脱出プレート
・タイヤチェーン
・防寒着
・長靴
・防水性のある手袋
・毛布
・懐中電灯
・飲料水
・保存できる食料
・使い捨てカイロ
・モバイルバッテリー
・非常用トイレ

用品を積むだけでなく、一度取り出して使い方を確認しておきましょう。

スタックを防ぐために出発前に確認すること

最も安全なのは、スタックする可能性が高い道路へ入らないことです。

出発前には次の項目を確認してください。

・大雪や暴風雪の予報が出ていないか
・通行止めやチェーン規制がないか
・冬用タイヤを装着しているか
・タイヤの残り溝と空気圧に問題がないか
・燃料や充電残量に余裕があるか
・除雪されているルートを選べるか
・救援を依頼する連絡先を確認したか

国土交通省は、大雪や暴風雪が予想される場合、できる限り車の運転を避けるよう呼びかけています。

冬用タイヤを装着していても、深い雪や急な坂道では立ち往生する可能性があります。

予定を変更できる場合は、無理に出発しないことも大切な安全対策です。

まとめ|脱出できないときは早めに救援を依頼する

雪道で車がスタックしたときは、次の順番で対応しましょう。

  1. アクセルから足を離す
  2. 周囲の安全を確認する
  3. タイヤと車体下部の雪を取り除く
  4. 専用の脱出用品を使用する
  5. ゆっくり発進する
  6. 脱出できなければ救援を依頼する

強くアクセルを踏み続けたり、電子制御を自己判断で解除したりすると、状況が悪化する可能性があります。

高速道路、吹雪、夜間、交通量の多い道路などでは、自力で作業しないでください。

救援を待つ場合は、マフラー周辺の雪と車内の換気を確認し、一酸化炭素中毒を防ぐことも重要です。

数回試しても動かない場合は無理をせず、JAFや自動車保険のロードサービスへ早めに相談しましょう。

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参考資料

JAF「雪道でスタックした場合、自力で動かす方法とは?」
JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」
国土交通省 青森河川国道事務所「冬のドライブ情報」

※車種によって駆動方式、電子制御、脱出時の操作方法が異なります。作業前に車両の取扱説明書を確認し、安全に作業できない場合は救援を依頼してください。

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