走行距離10万kmの車はまだ乗れる?修理・車検・乗り換えの判断基準

「走行距離が10万kmを超えたら、そろそろ乗り換えた方がいいのかな?」

車検や修理の時期が近づくと、このまま乗り続けて大丈夫なのか、不安になる方も多いと思います。

まだ大きな故障はないし、できれば乗り続けたい。でも、車検を通した直後に高額な修理が必要になったら、「あのとき乗り換えておけばよかった」と後悔するかもしれません。

反対に、慌てて手放したあとで「まだ十分乗れたのでは」と感じるのも避けたいところです。長く乗ってきた車ほど愛着もあり、費用だけでは簡単に決められないですよね。

結論からいうと、走行距離10万kmは、必ずしも車の寿命を表す数字ではありません。これまでの整備状況や使い方によっては、まだ十分に乗り続けられる車もあります。

一方で、年式や状態によっては、車検を通した直後に高額な修理が必要になることもあります。

大切なのは、走行距離だけで判断するのではなく、

・これからかかる修理費
・次の車検に必要な費用
・あと何年乗りたいか
・現在の車にどれくらい価値があるか

を比べて考えることです。

私は中古車販売に20年以上携わるなかで、10万kmを超えても問題なく使われている車も、修理費が重なり、乗り換えた方が負担を抑えられた車も見てきました。

この記事では、走行距離10万kmを超えた車について、まだ乗り続けられる車の特徴や、車検を通すか乗り換えるかの判断基準を、車に詳しくない方にも分かりやすく解説します。

走行距離10万kmは車の寿命ではない

走行距離10万kmは、必ずしも車の寿命を表す数字ではありません。

現在の車は、必要な点検や部品交換を行っていれば、10万kmを超えても問題なく走れることがあります。実際に中古車市場でも、15万kmや20万kmを超えた車が売買されています。

反対に、走行距離が少なくても、長期間動かしていなかった車や、必要な整備を受けていなかった車は、不具合が起こることがあります。

同じ10万kmでも、車の状態には大きな差があるということです。

判断するときは、メーターに表示された距離だけでなく、これまでどのように使われ、整備されてきたかを確認しましょう。

走行距離が多くても価格がついた3台の実例

私は中古車販売に携わるなかで、走行距離が多くても、想像以上の価格で売れた車を何台も見てきました。

特に印象に残っているのが、2024年に売却したトヨタ・ハイラックスサーフです。

グレードはSSR-X、3,000ccのディーゼル車で、走行距離は23万kmに達していました。

一般的には「23万kmも走っていたら、ほとんど値段がつかないのでは」と思われるかもしれません。しかし、このサーフは88万円で売却できました。

ほかにも、次のような売却経験があります。

車種走行距離売却価格
ハイラックスサーフ SSR-X・3.0Lディーゼル23万km88万円
2型ハイエース16万4,000km100万円
アクティトラック・2WD・MT11万km20万円

もちろん、走行距離が多ければ、どの車でも同じような価格で売れるわけではありません。

ハイラックスサーフやハイエース、軽トラックは、仕事やレジャー、海外向けなど複数の需要があります。そのため、年式が古く走行距離が多くても、車種や状態によっては価格が残ることがあります。

車の価値は、走行距離だけではなく、

・車種やグレード
・ガソリン車かディーゼル車か
・2WDか4WDか
・MTかATか
・車両や内装の状態
・整備状況
・国内外での需要
・売却する時期

などを含めて判断されます。

「10万kmを超えたから価値はない」と、自分で決めつけないことが大切です。

10万kmを超えても乗り続けやすい車の特徴

定期的にエンジンオイルを交換している

エンジンオイルには、エンジン内部の動きを滑らかにし、熱や汚れから守る役割があります。

交換時期を大幅に超えた状態が続くと、エンジン内部に汚れがたまり、不具合につながる可能性があります。

適切な交換時期は車種や使用状況によって異なるため、取扱説明書やメンテナンスノートを確認しましょう。

点検や整備の記録が残っている

点検整備記録簿を見ると、これまで受けた点検や、交換した部品を確認できます。

記録が残っていれば、これから必要になりそうな整備も予想しやすくなります。

国土交通省の「自動車の点検及び整備に関する手引」でも、点検整備記録簿を維持管理に役立て、できるだけ長く保存することが望ましいとされています。

過去の車検書類や整備記録は、捨てずに保管しておきましょう。

異音や振動を放置していない

長く乗っていると、多少の音や振動が出ることはあります。

ただし、

・エンジンから今までと違う音がする
・発進時の振動が大きくなった
・ハンドルを切ると異音がする
・ブレーキを踏むと音がする
・走行中に車体がふらつく

といった変化がある場合は、早めに点検を受けた方が安心です。

「まだ走れるから」と放置すると、修理する範囲が広がることもあります。

10万km前後で確認したい部分

10万km前後になると、複数の部品が同じ時期に劣化してくることがあります。

特に確認しておきたいのは、次のような部分です。

・エンジンのベルト類
・冷却水やホース類
・ウォーターポンプ
・スパークプラグ
・バッテリー
・ブレーキ関係
・足回りのゴム部品
・発電やエンジン始動に関係する部品

ただし、すべての部品を10万kmで交換するわけではありません。車種や使用状況によって、点検・交換時期は異なります。

タイミングベルトを使用している車について、JAFは8万kmから10万km程度での交換を案内しています。走行中に切れると、エンジンが止まり、大きな損傷につながる可能性があるためです。

一方で、タイミングベルトではなく、金属製のタイミングチェーンを使っている車もあります。

自分の車がどちらなのか分からない場合は、取扱説明書やメンテナンスノートを確認するか、整備工場に聞いてみましょう。

走行中にタイミングベルトが切れる予兆はありますか?|JAF

車検を通すか乗り換えるかの判断基準

10万kmを超えた車で悩みやすいのが、「次の車検を通すべきか」という問題です。

車検費用だけで決めず、次の4点を確認しましょう。

今回の車検と整備にいくらかかるか

まず、車検を通すために必要な費用を見積もってもらいます。

見積書を見るときは、

・車検を通すために必要な整備
・安全のために早めに行いたい整備
・すぐではないが今後必要になる整備

を分けて説明してもらうと、判断しやすくなります。

車検後に大きな修理が控えていないか

今回の車検費用が安くても、半年後や1年後に大きな修理が必要になる可能性があります。

交換履歴が分からない部品や、現在気になっている症状を伝え、近いうちに必要になりそうな整備がないか確認しましょう。

あと何年乗りたいか

あと数年間乗りたい車であれば、ある程度の整備費用をかける意味があります。

一方で「次に故障したら乗り換えよう」と考えている場合は、高額な整備をした直後に手放すことにならないか、慎重に考える必要があります。

現在の車にどれくらい価値があるか

修理費や車検代だけでなく、現在の査定額も判断材料になります。

今なら一定の査定額がついても、次の車検まで乗ることで価値が下がる場合があります。

反対に、査定額がそれほど高くなく、車の状態も良い場合は、そのまま乗り続ける方が家計の負担を抑えられることもあります。

乗り続ける場合に確認したいこと

これからも乗り続ける場合は、整備工場などで次の点を確認してもらいましょう。

・今すぐ交換が必要な部品
・1年以内に交換が必要になりそうな部品
・交換履歴が分からない部品
・オイルや冷却水の漏れ
・ブレーキや足回りの状態
・異音や振動の原因
・タイヤの残り溝やひび割れ

整備の見積もりが高い場合は、何のための作業なのか、一つずつ聞いて構いません。

すべてを一度に交換するのではなく、安全に関わる整備から優先順位を付けてもらう方法もあります。

手放す場合に確認したいこと

手放す可能性がある場合は、高額な修理や車検を受ける前に、現在の査定額を確認してみましょう。

傷やへこみがあっても、査定前に自費で修理した方がよいとは限りません。きれいに直しても、その修理費を上回るほど査定額が上がるとは限らないためです。

また、古い車や走行距離が多い車でも、

・中古車として再販売できる
・海外で需要がある
・部品として価値がある
・商用車として需要がある

といった理由で、価格がつくことがあります。

1社で査定額がつかなかったからといって、必ずしも車の価値がゼロとは限りません。

ただし、査定を受ける際は、故障箇所や修復歴などを隠さず、分かる範囲で正確に伝えることが大切です。

まとめ

走行距離10万kmは、車の寿命を一律に決める数字ではありません。

乗り続けるか、乗り換えるかを考えるときは、

・これまでの整備状況
・現在発生している不具合
・車検や修理にかかる費用
・近いうちに必要になる整備
・あと何年乗りたいか
・現在の査定額

を並べて判断しましょう。

整備状態が良く、今後の修理費も大きくなければ、10万kmを超えても乗り続けられる可能性があります。

一方で、高額な整備が重なりそうな場合は、費用をかける前に現在の車の価値を確認しておくと、乗り続ける場合と手放す場合を比べやすくなります。

車の査定額は、走行距離だけでなく、年式、車種、修復歴、内外装の状態、市場での需要などによって変わります。

査定額がどのように決まるのか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

→「車の査定額が安い理由は?思ったより低くなる評価ポイントと高く売るコツ」

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車の査定額が安い理由は?思ったより低くなる評価ポイントと高く売るコツ

参考資料

この記事を作成するにあたり、以下の情報も参考にしています。

走行中にタイミングベルトが切れる予兆はありますか?|JAF

自動車の点検及び整備に関する手引|国土交通省

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