季節の変わり目は、気温や天候、道路の状態が変化するため、車の状態を確認するよいタイミングです。
たとえば、気温の変化によってタイヤの空気圧が変わったり、雨や雪、花粉、落ち葉などがワイパーやエアコンフィルターへ影響したりすることがあります。
ただし、点検する項目によっては、自分で確認できるものと、販売店や整備工場へ任せたほうがよいものがあります。
自分で確認するときは、安全で平らな場所へ停車して駐車ブレーキをかけます。エアコンやライトなどの作動確認を除き、エンジンまたは車両システムを停止し、取扱説明書に記載された手順に従ってください。
次のような異常がある場合は、無理に点検や走行を続けないことが大切です。
・警告灯や重要なメッセージが表示されている
・ブレーキやハンドルの操作に違和感がある
・強い振動や普段とは違う大きな音がする
・煙、焦げた臭い、燃料のような臭いがする
・タイヤに大きな亀裂、膨らみ、変形がある
・車の下へ色や臭いのある液体が漏れている
この記事では、季節の変わり目に確認したい10項目について、自分で見られる範囲と、点検を依頼したほうがよい症状を分かりやすく説明します。
交換時期、点検方法、使用する部品などは車種によって異なります。実際に作業するときは、自分の車の取扱説明書やメンテナンスノートを確認してください。
① タイヤの空気圧・溝・傷を確認する
タイヤは車を支えるだけでなく、曲がる、止まる、路面からの衝撃を受け止める役割があります。
最初に、4本のタイヤを外側から確認しましょう。
・空気が目立って減っていないか
・溝が極端に少なくなっていないか
・内側と外側で減り方に大きな差がないか
・側面に亀裂、膨らみ、切り傷がないか
・釘や金属片などが刺さっていないか
空気圧は見た目だけでは正確に判断できません。タイヤが冷えている状態で測り、運転席ドア付近などに表示された車両指定の空気圧へ合わせます。
高速道路を走るからといって、自己判断で大幅に高くするのは避けましょう。指定値や積載時の設定は、取扱説明書や車体の表示を確認してください。
スタッドレスタイヤから夏タイヤへ交換する場合は、装着するタイヤの溝や製造時期だけでなく、保管中に変形や亀裂が発生していないかも確認します。
タイヤがつぶれている、側面が膨らんでいる、コードのようなものが見えている場合は、走行せず販売店、タイヤ専門店、ロードサービスなどへ相談してください。
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② 12Vバッテリーの状態を確認する
12Vバッテリーが弱ると、エンジンや車両システムが始動しにくくなるほか、ライトや電装品が正常に作動しない場合があります。
次のような変化がないか確認しましょう。
・始動時の音が以前より弱い、または遅い
・メーターや室内灯が暗く感じる
・アイドリングストップが作動しにくくなった
・バッテリーに関する警告やメッセージが表示される
・バッテリーをいつ交換したか分からない
使用年数だけで寿命を断定することはできません。車の使用頻度、走行距離、気温、電装品の使用状況などによって状態が変わります。
外側から確認できる場合は、端子周辺の白い粉、ケースの膨らみ、液漏れなどがないかを見ます。ただし、端子へ触れたり、自分で外したりしないでください。
ケースの変形、液漏れ、強い臭い、煙などがある場合は、エンジンや車両システムの始動を繰り返さず、ロードサービスや販売店へ相談しましょう。
状態が気になる場合は、販売店、整備工場、カー用品店などで点検を受けると安心です。
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③ エンジンオイルの量と交換時期を確認する
エンジンオイルには、エンジン内部の動きを滑らかにし、熱や汚れによる負担を抑える役割があります。
オイルの量が不足したまま走行すると、エンジンを傷めるおそれがあります。
まず、次の点を確認しましょう。
・オイル交換を最後に行った時期と走行距離
・オイル交換を知らせる表示や警告灯の有無
・駐車場所にオイルのような液体が落ちていないか
・エンジンから普段とは違う音や臭いが出ていないか
オイル量を自分で測定できる車では、安全で平らな場所へ停車し、取扱説明書に記載された手順に従います。
測定するタイミングや方法は車種によって異なります。オイルレベルゲージがない車や、メーター上で確認する車もあるため、一般的な方法だけで判断しないでください。
油圧警告灯が点灯している、車の下へ大量のオイルが漏れている、異音や煙が出ている場合は、走行を続けず販売店やロードサービスへ相談しましょう。
オイルの種類と交換時期は、取扱説明書やメンテナンスノートを確認してください。
④ ブレーキの音や効き方を確認する
ブレーキは安全に直結するため、自分で分解や調整を行わず、運転中に感じる変化を確認します。
次のような症状がないか注意しましょう。
・以前にはなかった音が続いている
・ブレーキの効きが弱く感じる
・ペダルが深く沈む、または急に硬くなった
・ブレーキをかけると車が片側へ流れる
・ペダルやハンドルへ強い振動が伝わる
・ブレーキ警告灯が消えない
・焦げたような臭いや煙が出ている
雨天時や洗車後などは、ブレーキ部分の水分によって一時的に音が出る場合があります。
ただし、金属を削るような音が続く場合や、効き方に異常がある場合は、音の原因を自分で判断しないでください。
ブレーキの効きに不安がある、警告灯が消えない、強い振動や焦げた臭いがある場合は、整備工場まで自分で運転せず、安全な場所へ停車して救援を依頼しましょう。
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⑤ ワイパーの拭き取り状態を確認する
ワイパーは、雨や雪の中で前方の視界を確保するための重要な部品です。
安全な場所へ停車した状態でウォッシャー液を噴射し、次の点を確認しましょう。
・拭き残しや筋ができていないか
・ワイパーが細かく跳ねたり、大きな音が出たりしないか
・ゴムが切れていないか
・左右の動きにずれがないか
・途中で止まったり、動きが遅くなったりしないか
・ウォッシャー液が正常に出るか
ガラスの汚れやワイパーゴムの劣化によって、拭きムラや音が出る場合があります。
ただし、雪や氷でワイパーが動かない状態のままスイッチを入れると、モーターや部品を傷める可能性があります。
金属部分がガラスへ触れている、左右の動きがずれている、焦げた臭いや煙が出ている場合は、使用を中止して販売店や整備工場へ相談してください。
雨や雪の中で前方の視界を確保できない場合は、走行を続けず安全な場所へ停車しましょう。
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⑥ ライトやランプの点灯を確認する
ライトやランプには、前方を照らすだけでなく、自分の車の存在や動きを周囲へ知らせる役割があります。
次の箇所が正常に点灯するか確認しましょう。
・ヘッドライト
・車幅灯
・方向指示器
・ハザードランプ
・ブレーキランプ
・バックランプ
・ナンバー灯
・フォグランプなど装備されている灯火類
ブレーキランプやバックランプなど、運転席から確認しにくい場所は、家族などに見てもらう方法があります。
安全な場所で壁や窓ガラスへの映り込みを利用できる場合もありますが、周囲の車や人へ迷惑がかからない場所で行ってください。
球切れだけでなく、左右で明るさや色が大きく違う、内部に多量の水が入っている、点滅が極端に速いといった変化にも注意しましょう。
交換できる電球や作業方法は車種によって異なります。高電圧を使用するライトもあるため、取扱説明書で交換方法を確認できない場合は、自分で分解せず販売店や整備工場へ依頼してください。
⑦ エアコンの冷え方・風量・臭いを確認する
エアコンは、暑さを和らげるだけでなく、雨の日などに窓の曇りを取るためにも使います。
本格的に冷房や暖房が必要になる前に、次の点を確認しましょう。
・設定どおりの温度の風が出るか
・風量を変更すると強さが変わるか
・すべての吹き出し口から風が出るか
・普段とは違う音がしないか
・カビ、焦げ、燃料などの臭いがしないか
・デフロスターでフロントガラスの曇りを取れるか
冷えない原因は、設定の間違いだけとは限りません。エアコンフィルターの汚れ、冷媒の不足や漏れ、コンプレッサーやファンなどの不具合も考えられます。
風が冷たくないからといって、市販の冷媒を自己判断で補充するのは避けてください。入れ過ぎや種類の間違いによって故障する可能性があります。
煙、焦げた臭い、強い燃料臭、異音、高水温警告灯などがある場合は、エアコンの使用や走行を続けず、安全な場所へ停車して救援を依頼しましょう。
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⑧ エアコンフィルターの汚れを確認する
エアコンフィルターは、車外から入るほこり、花粉、落ち葉などを取り除くための部品です。
汚れがたまると、風量の低下や臭いの原因になる場合があります。
次のような変化がないか確認しましょう。
・以前より風が弱くなった
・ほこりやカビのような臭いがする
・フィルターの交換時期が分からない
・長期間交換していない
・外気を取り入れる部分に落ち葉や汚れがたまっている
フィルターの位置や交換方法は車種によって異なります。取扱説明書で作業方法を確認できる場合は、汚れ、変色、変形などがないか確認しましょう。
無理に内装部品を外したり、サイズの合わないフィルターを取り付けたりしてはいけません。
フィルターを交換しても臭いや風量が改善しない場合は、エアコン内部の点検や洗浄が必要な可能性があります。販売店、整備工場、カー用品店などへ相談してください。
⑨ 車体下部やタイヤハウスの汚れを確認する
雪道や海沿いの道路を走行した後は、車体下部やタイヤハウスへ泥、塩分、凍結防止剤などが付着している場合があります。
汚れを長期間放置すると、金属部分のさびや部品の傷みに気づきにくくなることがあります。
明るい場所で、無理のない範囲から次の点を確認しましょう。
・タイヤハウスに泥や落ち葉がたまっていないか
・車体下部に大きなさびや損傷が見えないか
・部品やカバーが垂れ下がっていないか
・駐車場所に液体が落ちていないか
・走行中に車体下部から異音がしないか
洗車場に下回り洗浄の設備がある場合は、表示された使用方法に従って洗浄します。
車体の下へ潜ったり、ジャッキだけで持ち上げた車の下へ入ったりしてはいけません。
大量のさび、部品の変形、液漏れ、カバーの脱落などが見つかった場合は、販売店や整備工場へ点検を依頼してください。
⑩ 車内の湿気・水濡れを確認する
車内へ水分が残っていると、窓の曇り、カビのような臭い、内装部品の傷みなどにつながる場合があります。
フロアマットを外せる場合は、安全な場所で次の点を確認しましょう。
・マットや床がぬれていないか
・カビや雑巾のような臭いがしないか
・窓の内側が頻繁に曇らないか
・ドアや荷室周辺に水滴が残っていないか
・天井や内装に水が流れた跡がないか
・荷室やスペアタイヤの収納部に水がたまっていないか
雨の日だけぬれる場合は、ドアや窓、ルーフ、荷室周辺などから水が入っている可能性があります。
また、甘いような臭い、窓の油っぽい曇り、助手席側の床の水濡れなどがある場合は、冷却水に関係する不具合も考えられます。
原因が分からない水濡れを見つけた場合は、乾燥させるだけで終わらせず、販売店や整備工場へ点検を依頼しましょう。
水が電装品や配線の周辺まで入っている場合は、むやみにスイッチを操作したり、エンジンや車両システムを始動したりしないでください。
自分で確認できる範囲と点検を依頼する目安
自分で行う確認は、取扱説明書に記載された操作と、車の外側や運転席から安全に確認できる範囲にとどめましょう。
比較的確認しやすいのは、次の項目です。
・タイヤの空気圧や外観
・ライトやランプの点灯
・ワイパーの拭き取り状態
・ウォッシャー液の残量
・エアコンの設定、風量、臭い
・フロアマットや車内の水濡れ
・メンテナンスノートに記録された交換時期
一方、次のような作業は、自分で無理に行わず販売店や整備工場へ相談してください。
・ブレーキの分解や調整
・車体の下へ入って行う点検
・バッテリー端子や配線の取り外し
・エアコン冷媒の補充
・交換方法を確認できないライトや部品の取り外し
・警告灯が表示されている状態での原因調査
・高温になっている部品や液体に関係する作業
異音、異臭、煙、液漏れ、強い振動、ブレーキやハンドルの違和感などがある場合は、整備工場まで自分で運転することも避けましょう。
安全な場所へ停車し、販売店、整備工場、ロードサービスなどへ相談してください。
まとめ|季節が変わる前に車の状態を確認しよう
季節の変わり目には、次の10項目を確認しておくと、車の変化に気づきやすくなります。
・タイヤ
・12Vバッテリー
・エンジンオイル
・ブレーキ
・ワイパー
・ライトやランプ
・エアコン
・エアコンフィルター
・車体下部やタイヤハウス
・車内の湿気や水濡れ
点検の目的は、自分で故障を直すことではなく、普段と違う状態へ早めに気づくことです。
使用する部品、交換時期、確認方法は車種や使用状況によって異なります。取扱説明書やメンテナンスノートを確認し、定期点検や車検の時期も忘れないようにしましょう。
判断できない異常や安全に関係する症状がある場合は、無理に作業や走行を続けず、専門家へ相談することが大切です。
参考資料
・国土交通省「日常点検」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02maintenance/daily_check.html
・国土交通省「自動車の点検及び整備に関する手引」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/t_tebiki.pdf
・JAF「日常点検15項目(私にもできるマイカー点検)」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/self-check/daily-15check
・JAF「タイヤの空気圧点検と充填方法」
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-inspection/subcategory-tire/faq203
・JAF「警告灯・表示灯・メッセージが表示された」
https://jaf.or.jp/common/car-trouble-qa/warning-lamp

