エンジンがかからないと、「故障したのでは」と不安になる人も多いでしょう。
しかし、シフト位置、ブレーキやクラッチの踏み込み、スマートキー、燃料残量などを確認すると始動できる場合があります。
一方で、バッテリー上がり、スターター、燃料系統、点火系統などの点検が必要なケースもあります。
始動できない原因を、音や警告灯だけで断定することはできません。
無理に何度も始動操作を繰り返すと、12Vバッテリーやスターターへ負担をかける可能性があります。
まず自分と周囲の安全を確保し、メーターの表示と車の反応を落ち着いて確認しましょう。
特に道路上や見通しの悪い場所で停止した場合は、その場での点検より安全確保を優先してください。
この記事では、エンジンや車両システムが始動しないときに、運転者が最初に確認できることを順番に説明します。
ただし、始動方法や非常時の操作は車種によって異なります。
この記事だけで判断せず、自分の車の取扱説明書を確認し、原因が分からない場合はロードサービスや整備工場へ相談してください。
ハイブリッド車や電気自動車では、エンジン音がしなくても「READY」などの走行可能表示が出ていれば、車両システムが起動している場合があります。
最初に確認したい5つの項目
始動操作を繰り返す前に、次の5項目を順番に確認しましょう。
1.シフト位置を確認する
オートマチック車は、一般的にシフトが「P」または車種によっては「N」に入っていないと始動できません。
まずパーキングブレーキをかけ、メーターに表示されているシフト位置を確認してください。
見た目では「P」に入っているようでも、車が正しく認識していない可能性があります。
操作方法は車種によって異なるため、無理にシフトを動かさず取扱説明書に従いましょう。
2.ブレーキまたはクラッチを踏み込む
プッシュスタート式のオートマチック車では、ブレーキペダルの踏み込みが足りないと始動できない場合があります。
エンジン停止中にブレーキを何度も踏むと、ペダルが通常より固くなることもあります。
足元にマットや荷物が挟まっていないか確認し、ブレーキを確実に踏んで始動操作を行いましょう。
マニュアル車では、クラッチペダルを奥まで踏み込む必要がある車種があります。
3.スマートキーの表示を確認する
スマートキーの電池が弱っている、キーが車内にない、電波が妨げられているといった理由で、車がキーを認識できない場合があります。
メーターに「キーが見つかりません」などの表示が出ていないか確認してください。
スマートキーの電池が切れた場合には、キーをスタートスイッチへ近づけるなど、非常時の始動方法が用意されている車もあります。
接触させる場所や操作手順は車種によって異なるため、必ず取扱説明書を確認しましょう。
4.燃料残量を確認する
燃料計と燃料残量警告灯を確認します。
燃料が少ない状態で坂道へ駐車すると、車体の傾きによって燃料を吸い上げられない場合もあります。
燃料切れが疑われる場合は、何度も始動操作を繰り返さず、ロードサービスなどへ相談してください。
ハイブリッド車でも、ガソリンを使用する車は燃料がなければ正常に始動・走行できません。
5.メーター・室内灯・電装品の反応を確認する
スタート操作をしたときに、次のような症状がある場合は、12Vバッテリーの電圧が低下している可能性があります。
・メーターや室内灯が暗い
・ドアロックや電装品が動かない
・スターターの回り方が弱い
・カチカチという音がする
ただし、これらの症状だけでバッテリー上がりと断定することはできません。
スターター、端子、配線など、ほかの原因でも似た症状が出る場合があります。
車の反応から考えられること
始動操作をしたときの反応は、原因を判断する手がかりになります。
ただし、音や表示だけで故障箇所を断定することはできません。
メーターや電装品がほとんど反応しない
メーター、室内灯、ドアロックなどが作動しない場合は、12Vバッテリー上がりの可能性があります。
ただし、バッテリー端子の緩み、ヒューズ、配線などが原因の場合もあります。
バッテリー上がりへの対処方法は別の記事で詳しく説明しています。
カチカチという音がする・スターターの回り方が弱い
12Vバッテリーの電圧低下や、スターターの不具合などが考えられます。
何度も始動操作を繰り返さず、ロードサービスや整備工場へ相談しましょう。
スターターは回るがエンジンが始動しない
スターターが通常どおり回っても、燃料切れ、燃料供給、点火、キーの認証などの問題で始動できない場合があります。
運転者がその場で原因を特定することは難しいため、長時間スターターを回し続けないでください。
燃料残量とメーターの表示を確認し、始動できなければ救援を依頼しましょう。
警告灯が複数点灯している
エンジンや車両システムが始動する前は、機能確認のため複数の警告灯が点灯する車があります。
始動前に警告灯が点灯しているだけで、故障とは断定できません。
重要なのは、始動後も警告灯が消えない場合や、警告メッセージが表示されている場合です。
警告灯の意味は車種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
赤い警告灯が点灯している、ブレーキやハンドル操作に異常がある場合は、無理に走行せず救援を依頼しましょう。
異臭・煙・液漏れがある
焦げたような臭い、強い燃料臭、煙、液漏れなどがある場合は、始動操作を中止してください。
火災などの危険を感じる場合は車から離れ、安全な場所から消防や道路管理者へ連絡しましょう。
原因を確認するために、熱くなっている部品やオレンジ色の高電圧配線へ触れてはいけません。
ロードサービスや整備工場へ連絡する目安
次のような場合は、始動操作を続けず救援を依頼しましょう。
・取扱説明書どおりに操作しても始動できない
・原因を自分で判断できない
・異音、異臭、煙、液漏れがある
・赤い警告灯や重要な警告メッセージが表示されている
・スターターが回り続けても始動しない
・正しい方法でバッテリーを救援しても始動しない
・事故や浸水の後に始動できない
・高速道路や交通量の多い場所で停止している
連絡するときは、次の情報を伝えると状況を説明しやすくなります。
・現在地
・車名とおおよその年式
・ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、電気自動車のどれか
・スタート操作をしたときの音や反応
・メーターに表示された警告灯やメッセージ
・燃料残量
・異臭、煙、液漏れの有無
・事故や浸水がなかったか
高速道路など危険な場所では、車の確認よりも自分と同乗者の安全を優先してください。
可能であれば安全な場所へ避難し、ロードサービスや道路管理者へ連絡しましょう。
まとめ|安全を確保して順番に確認する
エンジンや車両システムが始動しないときは、すぐに故障と決めつけず、次の順番で確認しましょう。
・シフト位置
・ブレーキまたはクラッチの踏み込み
・スマートキーの認識状態
・燃料残量
・メーター、室内灯、電装品の反応
操作を確認しても始動できない場合は、12Vバッテリー、スターター、燃料供給、点火などの不具合も考えられます。
音や警告灯だけで故障箇所を断定せず、何度も始動操作を繰り返さないことが大切です。
異音、異臭、煙、液漏れ、赤い警告灯などがある場合は、自分で作業せず救援を依頼しましょう。
また、高速道路や交通量の多い場所では、車の確認より自分と同乗者の安全を優先してください。
始動方法や警告表示は車種によって異なります。
自分の車の取扱説明書を確認し、原因が分からない場合や始動できない場合は、ロードサービスや整備工場へ相談しましょう。
参考資料
・JAF「エンジンがかからない・READYにならない場合」
https://jaf.or.jp/common/car-trouble-qa/engine-not-start
・JAF「パワースイッチを押すと反応するがエンジンがかからない場合」
https://jaf.or.jp/common/car-trouble-qa/engine-not-start/button-not-start
・JAF「キーは回り反応するがエンジンがかからない場合」
https://jaf.or.jp/common/car-trouble-qa/engine-not-start/key-not-start
・JAF「スマートキーが作動しないときのドアの開け方・エンジンのかけ方」
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-support/faq277
・トヨタ自動車「スマートキーの電池が切れたときのエンジンのかけ方」
https://toyota.jp/faq/show/2378.html

