BBSホイールを検討するとき、「なぜほかのアルミホイールより高いのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
BBSジャパンの乗用車向けホイールには、アルミ鍛造、超超ジュラルミン鍛造、マグネシウム鍛造など、複数の素材と構造を採用した製品があります。
価格が高くなる理由は、BBSという名前だけではありません。
金属へ大きな力を加えて成形する鍛造工程に加え、スピニング、機械加工、表面処理、塗装、職人による検査や手仕上げなど、多くの工程を経て製造されています。
ただし、BBSであればすべて同じ素材・構造・重量ではありません。1ピースと2ピースの違いがあり、車種、サイズ、デザインによって価格や性能も変わります。
また、ホイールを軽くすれば、すべての車で乗り心地や走りが必ず良くなるわけではありません。タイヤ、車両重量、サスペンション、ホイールサイズなどによって感じ方は異なります。
この記事では、BBSホイールの価格が高くなる理由を、鍛造製法、素材、製造工程、モータースポーツとの関係から分かりやすく解説します。
購入前に確認したいサイズ、車への適合、タイヤを含めた総額についても紹介します。
BBSジャパンは鍛造ホイールを製造するメーカー
BBSブランドは、1970年にドイツで誕生しました。
BBSジャパンは富山県に生産拠点を持ち、乗用車向けやモータースポーツ向けの鍛造ホイールを製造しています。
現在販売されている主な乗用車向け製品には、次のような違いがあります。
・アルミ鍛造1ピースホイール
・アルミ鍛造2ピースホイール
・超超ジュラルミン鍛造ホイール
・マグネシウム鍛造ホイール
・独自素材を使用した鍛造ホイール
同じBBSというブランドでも、すべてが同じ素材や構造ではありません。
例えば、代表的な「LM」はアルミ鍛造2ピース、「RI-A」はアルミ鍛造1ピース、「RI-D」は超超ジュラルミン鍛造1ピースです。
素材、構造、サイズ、デザインによって製造工程や価格が異なるため、「BBSはいくら」と一つの金額で比べることはできません。
購入するときは、製品名だけでなく、自分の車へ装着できるサイズと構造まで確認する必要があります。
価格が高くなる主な理由は鍛造と多くの製造工程
一般的なアルミホイールには、鋳造と鍛造という製造方法があります。
鋳造は、溶かした金属を型へ流し込んで成形する方法です。
鍛造は、金属の素材へ大きな力を加えて成形する方法です。金属の組織を整えながら形を作ることで、強度を確保しながら不要な部分を薄くする設計が可能になります。
ただし、鍛造というだけで、すべてのホイールが同じ軽さや強度になるわけではありません。設計、素材、サイズ、形状などによって性能は変わります。
複数回の鍛造とスピニング加工
BBSジャパンの製造工程では、金属素材を複数回プレスして、ホイールに近い形へ成形します。
その後、回転させながらリム部分を伸ばして成形するスピニング加工を行います。
大きなプレス設備、専用の金型、加工設備が必要になり、鋳造ホイールとは製造方法が異なります。
機械加工と表面処理
鍛造後は、工作機械でスポーク、ボルト穴、取り付け部分などを加工します。
さらに、表面を整える処理、洗浄、塗装、加飾などの工程が続きます。
2ピースホイールでは、複数の部品を組み合わせる工程も必要です。
製品によって素材や構造が異なるため、必要な加工や仕上げも変わります。
職人による検査と手仕上げ
BBSジャパンは、塗装前のホイールについて、職人が表面の状態や加工後のバリなどを確認し、手作業で仕上げる工程を紹介しています。
機械だけで完成させるのではなく、人の目と手を使う工程が含まれることも、製造に時間と費用がかかる理由の一つです。
BBSホイールの価格は、鍛造だけでなく、成形、機械加工、表面処理、塗装、検査、手仕上げまでを含む製造工程全体によって決まります。
製品によって素材と構造が異なる
BBSジャパンのホイールには、アルミだけでなく、超超ジュラルミンやマグネシウムなどを使用した製品があります。
超超ジュラルミンは、一般的なアルミ合金とは異なる高強度の素材です。BBSジャパンは、2011年に超超ジュラルミンを使った鍛造ホイール「RI-D」を発売しています。
ただし、高価な素材を使えば、自動的にすべての性能が高くなるわけではありません。
ホイールには、次のような性能をまとめて考える必要があります。
・車両を支えられる強度
・曲がりや変形への強さ
・走行時に必要な剛性
・ホイール本体の重量
・車種やタイヤに合うサイズ
BBSジャパンは、素材だけでなく、車両へ装着したときのバランスを考えて製品を設計しています。
軽量ホイールで走りが必ず良くなるとは限らない
ホイールが軽くなると、発進、減速、ハンドル操作などで違いを感じる場合があります。
しかし、純正ホイールからBBSへ交換すれば、すべての車で乗り心地や燃費が良くなるとは限りません。
例えば、ホイールを大径化すると、タイヤが薄くなり、路面の凹凸を感じやすくなる場合があります。
また、装着するタイヤの重量、空気圧、幅、車のサスペンションなどによっても乗り味は変わります。
購入するときは「BBSだから軽い」と決めつけず、検討している製品と純正ホイールの重量、サイズ、組み合わせるタイヤを確認しましょう。
モータースポーツ向けホイールも製造している
BBSは、F1、ル・マン24時間耐久レース、SUPER GT、スーパーフォーミュラなど、国内外のモータースポーツへホイールを供給してきた歴史があります。
競技用ホイールには、強い衝撃や大きな負荷へ対応しながら、軽さや整備性も求められます。
こうした使用環境で得た経験は、BBSの製品開発や製造技術を知るうえで重要な要素です。
ただし、レースで使われているホイールと、市販されているすべてのBBSホイールが同じ仕様という意味ではありません。
市販品を選ぶときは、モータースポーツでの実績だけで判断せず、自分の車に合う製品かを確認することが大切です。
購入時はホイール本体以外の費用も確認する
BBSホイールを購入するときは、ホイール本体の価格だけで判断しないことが大切です。
交換時には、次の費用がかかる場合があります。
・タイヤ代
・ホイールナットやボルト
・ハブリングなどの取り付け部品
・タイヤの組み替え工賃
・ホイールバランス調整
・廃タイヤの処分費用
・空気圧センサーの移設や追加
現在使用しているタイヤをそのまま使えるとは限りません。ホイールサイズや幅を変更すると、新しいタイヤが必要になる場合があります。
販売店で、取り付けに必要な部品と工賃を含めた総額を確認しましょう。
車への適合を確認してから購入する
デザインが気に入っても、自分の車へ安全に取り付けられるとは限りません。
購入前に確認したい主な項目は次のとおりです。
・ホイールの直径と幅
・ボルト穴の数とPCD
・インセット
・ハブ径
・車両重量に対応できる強度
・ブレーキキャリパーと干渉しないか
・タイヤが車体からはみ出さないか
・フェンダーやサスペンションへ接触しないか
同じ車種でも、年式やグレード、ブレーキの仕様によって装着できるサイズが異なる場合があります。
BBSジャパン公式サイトの車種検索を確認し、最終的にはBBS取扱店やタイヤ販売店へ相談しましょう。
中古品では、曲がり、ひび割れ、修理歴、取り付け面の傷、ナット穴の状態なども確認する必要があります。
見た目がきれいでも安全に使えるとは限らないため、状態が分からない中古ホイールは専門店で点検してもらいましょう。
BBSホイールが向いている人
BBSホイールは、次のような人に検討しやすい製品です。
・鍛造ホイールの製造方法に価値を感じる
・軽さだけでなく、素材や仕上げにもこだわりたい
・長く使えるデザインを選びたい
・車に合うサイズを専門店と相談して選べる
・購入価格より、製造工程や品質を重視したい
一方、価格を最優先する人や、短期間でデザインを変更したい人には、ほかのホイールが合う場合があります。
鋳造ホイールにも、価格と性能のバランスに優れた製品があります。
BBSが最も優れていると一律に判断するのではなく、予算、車の使い方、好みをもとに比較することが大切です。
30ソアラでBBSを使った感想
以前、黒い30ソアラに乗っていた時クロームブライトのBBSホイールを装着していました。
黒いボディとガンメタの組み合わせは相性がよく、車全体が引き締まって見えたことを覚えています。
ホイールは、性能や価格だけでなく、車へ装着したときに自分が気に入るかどうかも大切です。
高価な製品だからこそ、カタログの写真だけで決めず、同じ車種の装着例や実物の色を確認してから選ぶことをおすすめします。
まとめ|価格だけでなく製造工程と適合を確認する
BBSホイールの価格が高くなる理由には、鍛造製法、素材、製造工程、検査、手仕上げなどが関係しています。
主なポイントは次のとおりです。
・金属へ大きな力を加えて成形する鍛造製法を採用している
・複数回の鍛造やスピニング、機械加工など多くの工程がある
・職人による検査や手仕上げが行われている
・アルミ、超超ジュラルミン、マグネシウムなど複数の素材がある
・1ピースと2ピースなど、製品によって構造が異なる
・モータースポーツ向けホイールも製造してきた歴史がある
ただし、BBSホイールへ交換すれば、すべての車で走りや乗り心地が良くなるとは限りません。
ホイールとタイヤのサイズ、重量、空気圧、車のサスペンションなどによって、装着後の乗り味は変わります。
購入前には、車種、年式、グレード、ホイールサイズ、ブレーキとの干渉などを確認しましょう。
また、タイヤ、取り付け部品、組み替え、バランス調整などを含めた総額も確認する必要があります。
BBSの価格に納得できるかは、ブランド名だけでなく、製造工程や素材、デザイン、長く使いたいかという価値観によって変わります。
実物と装着例を確認し、信頼できる販売店へ相談したうえで、自分の車と使い方に合う製品を選ぶことが大切です。
参考資料
・BBSジャパン「BBSの軌跡」
https://bbs-japan.co.jp/about/
・BBSジャパン「クラフトマンシップ」
https://bbs-japan.co.jp/craftsmanship/
・BBSジャパン「テクノロジー」
https://bbs-japan.co.jp/technology/
・BBSジャパン「製品一覧」
https://bbs-japan.co.jp/products/
・BBS公式メディア「BBSの鍛造ホイールができるまで」
https://okiniiri.bbs-japan.co.jp/_ct/17550448


コメント