雨や雪の中でワイパーが動かなくなると、前方を確認しにくくなり、そのまま走行するのは危険です。
異音、拭き残し、途中で止まるといった症状も、視界を悪化させる原因になります。
走行中に異常が起きた場合は、慌てて何度もスイッチを操作せず、周囲を確認しながら安全な場所へ停車してください。
特に次のような状態では、走行を続けないことが大切です。
・雨や雪で前方を十分に確認できない
・ワイパーがまったく動かない
・途中で止まり、視界を遮っている
・ゴムが外れて金属部分がガラスへ触れている
・焦げた臭いや煙が出ている
・ワイパーを動かすとヒューズが繰り返し切れる
ワイパーが動かない原因には、雪や氷による凍結、落ち葉などの詰まり、ワイパーゴムの損傷、ヒューズ、モーター、動きを伝える部品の不具合などがあります。
「キュッキュッ」「ガガガ」といった音も、ゴムの劣化、ガラスの汚れ、乾いた状態での作動など、複数の原因が考えられます。
症状だけで故障箇所を断定することはできません。
この記事では、ワイパーが動かない・異音がする主な原因、安全な場所で自分でも確認できること、販売店や整備工場へ相談する目安を説明します。
作動方法やヒューズの位置は車種によって異なるため、実際に確認するときは自分の車の取扱説明書を優先してください。
ワイパーが動かないときに避けたい操作
ワイパーが動かない、途中で止まる、普段と違う音がする場合は、スイッチを何度も操作しないでください。
雪や氷で固定された状態で無理に動かすと、ワイパーゴム、アーム、モーター、動きを伝える部品などを傷める可能性があります。
次のような操作も避けましょう。
・凍り付いたワイパーを力任せにはがす
・雪が積もったままワイパーを作動させる
・乾いたガラスで繰り返し動かす
・ゴムが外れた状態で使用する
・アームを無理に手で動かす
・原因を確認せず大きな容量のヒューズへ交換する
・ウォッシャー液が出ない状態でスイッチを操作し続ける
凍結している場合は、車のデフロスター、車両に対応した解氷剤などを使い、氷が解けてから状態を確認します。
お湯を使う場合は、温度差でガラスが割れたり、解けた水が再凍結したりする可能性があるため注意が必要です。
安全な方法は車の取扱説明書で確認してください。
ワイパーが動かなくなる主な原因
ワイパーが作動しない原因は、外から見える雪やゴミだけとは限りません。
スイッチを何度も操作して原因を探ろうとせず、安全な場所で確認できる範囲にとどめましょう。
雪・氷・落ち葉などが動きを妨げている
ワイパーゴムがガラスへ凍り付いている、アームの根元へ雪や落ち葉がたまっていると、ワイパーが動けなくなることがあります。
この状態で作動させると、モーターや部品へ大きな負担がかかります。
スイッチを切り、凍結や積雪を取り除いてから確認してください。
ワイパーゴムやブレードが損傷している
ゴムが切れている、硬くなっている、変形している場合は、拭き残しや異音が出ることがあります。
ゴムが外れると、ブレードの金属部分がガラスへ触れて傷を付ける可能性があります。
交換時期を年数だけで一律に判断せず、ひび割れ、変形、拭き残しなどの状態で確認しましょう。
ヒューズが切れている
過大な電流が流れると、ワイパーのヒューズが切れて作動しなくなる場合があります。
ヒューズの場所や容量は車種によって異なります。
交換する場合は取扱説明書を確認し、必ず指定された容量のものを使用してください。
交換後すぐに再び切れる場合は、電気系統やモーターなどに異常がある可能性があります。
それ以上交換を繰り返さず、販売店や整備工場へ相談しましょう。
モーターや動きを伝える部品に不具合がある
スイッチを入れても音がせず動かない場合は、ヒューズ、スイッチ、配線、モーターなどの不具合が考えられます。
モーター音はするのにワイパーが動かない、左右の動きがずれる、途中で止まる場合は、モーターの動きをアームへ伝える部品が外れている可能性もあります。
外側から原因を特定できない場合は、無理にアームを動かさず点検を依頼してください。
ワイパーから異音がする主な原因
ワイパーの異音には、ゴムやガラスの状態、部品の緩みなど複数の原因があります。
ゴムの劣化・変形
ゴムが硬くなる、切れる、変形すると、ガラスの上を滑らかに動けず「キュッキュッ」「ガガガ」といった音が出る場合があります。
拭き残し、筋、にじみが同時に出る場合は、ゴムやブレードの交換を検討しましょう。
ガラスの汚れや油膜
砂、ほこり、虫、油膜、洗車用品の成分などがガラスへ付着すると、ワイパーが引っかかったり、拭きムラが出たりすることがあります。
汚れを落とすときは、ガラスとワイパーゴムに対応した用品を使用してください。
ガラスが乾いた状態で作動している
乾いたガラスでワイパーを動かすと、摩擦が大きくなって音が出たり、ゴムやガラスへ負担がかかったりします。
汚れを落とす場合は、ウォッシャー液が正常に出ることを確認してから使用しましょう。
アームや取り付け部分の異常
ブレードが正しく取り付けられていない、アームが変形している、取り付け部分が緩んでいる場合も、異音や不自然な動きが出ることがあります。
ワイパー同士が接触する、ガラスの外へ動く、停止位置がずれている場合は使用を中止し、点検を依頼してください。
安全な場所で自分でも確認できること
ワイパーの確認は、雨や雪の中で路肩に停車した状態では行わないでください。
駐車場など周囲の安全を確保できる場所へ停車し、ワイパースイッチとエンジンまたは車両システムを停止してから確認します。
雪・氷・落ち葉などを確認する
ワイパーゴム、アームの根元、フロントガラス下部に、次のものがないか目で確認します。
・雪や氷
・落ち葉や小枝
・泥や砂
・ビニールなどの異物
異物が目に見えていても、部品の奥へ手や工具を入れないでください。
凍結している場合は無理にはがさず、デフロスターや車両に対応した解氷方法を使用します。
氷や雪を取り除いた後も正常に動かない場合は、何度も作動させず点検を依頼しましょう。
ワイパーゴムとブレードを確認する
ゴムやブレードに、次のような状態がないか確認します。
・ゴムが切れている
・一部が外れている
・ひび割れや変形がある
・ゴムが硬くなっている
・ブレードが正しく取り付けられていない
・金属部分がガラスへ触れている
金属部分がガラスへ触れている場合は、ワイパーを使用しないでください。
交換方法は車種や製品によって異なるため、取扱説明書を確認し、自信がない場合は販売店やカー用品店へ依頼しましょう。
ガラスとゴムの汚れを確認する
ガラスに砂、油膜、鳥のふん、虫などが付いていると、異音や拭きムラが出ることがあります。
大きな砂や異物は、ワイパーでこすらず先に水で流します。
その後、ガラスとワイパーゴムに使用できる用品で清掃してください。
清掃後も同じ場所で拭き残しや音が出る場合は、ゴムやブレードの交換、アームの点検が必要な可能性があります。
ウォッシャー液の残量を確認する
ウォッシャー液が出ない場合は、タンクの残量を確認します。
補充するときは、車の取扱説明書に適合したウォッシャー液を使用してください。
特に寒冷地では、使用環境に対応した凍結温度の製品を選ぶ必要があります。
液量が十分にあるのに出ない場合は、ノズル、ホース、ポンプ、ヒューズなどの不具合が考えられます。
スイッチを操作し続けず、販売店や整備工場へ相談しましょう。
ヒューズは取扱説明書で確認する
ヒューズを自分で確認する場合は、最初に取扱説明書でワイパー用ヒューズの位置と指定容量を確認します。
ヒューズが切れていても、雪や氷による負荷、モーター、配線など別の原因が隠れている可能性があります。
指定容量より大きなヒューズを使用してはいけません。
交換しても作動しない、または再び切れた場合は、それ以上作業を続けず点検を依頼してください。
症状を記録する
整備工場へ相談するときは、次の情報があると状況を伝えやすくなります。
・前後どちらのワイパーか
・まったく動かない、途中で止まる、動きが遅いなどの症状
・モーターのような音が聞こえるか
・左右の動きにずれがあるか
・異音が出るタイミング
・拭き残しや筋が出る場所
・雪、雨、洗車後など発生した条件
・ヒューズを確認・交換したか
運転者が走行中に撮影や録音をしてはいけません。
安全な場所へ停車してから記録しましょう。
走行をやめて救援や点検を依頼する状態
ワイパーは、雨や雪の中で前方の視界を確保するための装置です。
故障の程度が軽く見えても、前方を確認できない状態では走行を続けないでください。
雨や雪で視界を確保できない
ワイパーが動かない、途中で止まる、拭き残しが大きいなどの理由で前方を十分に確認できない場合は、運転を続けてはいけません。
ハザードランプを点灯し、急な操作を避けながら、可能な範囲で安全な場所へ停車します。
安全な場所まで移動できない場合や、高速道路など危険な場所では、警察、道路管理者、ロードサービスへ連絡してください。
雨が弱くなるのを待つ場合も、路上ではなく安全な場所へ停車しましょう。
ワイパーが途中で止まる・左右の動きがずれる
ワイパーが途中で止まる、動きが極端に遅い、左右がぶつかる、ガラスの外へ動く場合は、モーターや動きを伝える部品、アームなどに異常がある可能性があります。
何度もスイッチを操作したり、手で無理に元の位置へ戻したりしないでください。
ワイパーが視界を遮っている場合も、自分で無理に動かさず点検を依頼しましょう。
モーター音はするがアームが動かない
スイッチを入れると作動音がするのにアームが動かない場合は、モーターの動きをアームへ伝える部品が外れている可能性があります。
作動を繰り返すと、ほかの部品まで傷める場合があります。
スイッチを切り、販売店や整備工場へ相談してください。
金属部分がガラスへ触れている
ワイパーゴムが外れたり切れたりして、ブレードの金属部分がガラスへ触れている場合は、すぐに使用を中止してください。
そのまま動かすと、フロントガラスへ深い傷が入る可能性があります。
視界を確保できない天候の場合は走行せず、ゴムやブレードの交換または救援を依頼しましょう。
焦げた臭い・煙・異常な熱がある
ワイパーを操作したときに焦げた臭い、煙、異常な熱が出た場合は、スイッチを切って車両を安全な場所へ停車してください。
モーターや配線などに異常がある可能性があります。
火災の危険を感じる場合は車から離れ、安全な場所から119番へ連絡しましょう。
ヒューズが繰り返し切れる
指定された容量のヒューズへ交換しても、すぐに切れる場合は、モーター、配線、凍結による負荷など別の原因が考えられます。
大きな容量のヒューズへ交換したり、交換を繰り返したりしてはいけません。
使用を中止し、販売店や整備工場で点検を受けてください。
高速道路でワイパーが使えなくなった
高速道路で視界を確保できなくなった場合は、ハザードランプを点灯し、可能な範囲で路肩や非常駐車帯へ停車します。
安全を確認して車外へ出たら、車より後方のガードレール外側などへ避難してください。
その後、110番、非常電話、道路緊急ダイヤル「#9910」などへ連絡します。
高速道路上でワイパーを確認したり、修理したりしてはいけません。
中古車を購入するときのワイパー確認ポイント
私は中古車販売に20年以上携わってきましたが、ワイパーは車両確認のときに見落とされやすい部分です。
晴れた日に車を見るとワイパーを使わないため、購入後の雨の日に初めて、異音や拭き残しへ気付くことがあります。
契約前や納車前には、販売店へ許可を取ったうえで次の点を確認しましょう。
前後のワイパーが正常に動くか
フロントワイパーだけでなく、装備されている場合はリアワイパーも確認します。
・低速と高速で正常に動くか
・間欠作動が正常か
・左右の動きにずれがないか
・途中で止まらないか
・停止したときに正しい位置へ戻るか
・アーム同士や車体へ接触しないか
オートワイパー付きの車は、センサーや設定によって作動条件が異なります。
その車両に装備されている機能と確認方法を、販売店へ聞いておきましょう。
ウォッシャー液が正常に出るか
ウォッシャー液を使用し、次の点を確認します。
・前後のノズルから液が出るか
・噴射する向きが大きくずれていないか
・ポンプから不自然な音がしないか
・ホースや車内側へ液が漏れていないか
・ワイパーと連動して作動するか
乾いたガラスでワイパーだけを動かすと、ゴムやガラスへ負担がかかります。
販売店へ確認したうえで、ウォッシャー液を使って作動を確認しましょう。
ゴム・ブレード・アームの状態を見る
ワイパーゴムについては、次の状態を確認します。
・切れやひび割れ
・変形や硬化
・一部が外れていないか
・拭き残し、筋、にじみ
・金属部分がガラスへ触れていないか
ゴムが新しくても、アームの変形、ブレードの取り付け、モーターなどに問題があれば正常に拭き取れません。
「納車前にワイパーゴムを交換する」という説明を受けた場合は、前後のどこを交換するのか、ブレードごとかゴムだけかも確認しましょう。
長期展示車はゴムの状態を確認する
走行距離が少ない中古車でも、屋外で長期間展示されていると、日光や気温の影響でワイパーゴムが硬くなっている場合があります。
年式や走行距離だけで判断せず、実際の拭き取り状態を確認することが大切です。
音や拭きムラがある場合は、納車前に交換や点検をしてもらえるか相談しましょう。
納車前の対応を書面で確認する
ワイパーゴムの交換、異音の点検、ウォッシャーノズルの調整などを販売店が行う場合は、見積書や注文書などへ内容を記載してもらうと安心です。
納車後に「交換すると思っていた」「点検だけだった」と認識がずれるのを防げます。
ワイパーは小さな部品に見えますが、雨天時の安全に直接関わる装備です。
中古車を選ぶときは、外観だけでなく、実際に作動させたときの動きと拭き取り状態まで確認しましょう。
まとめ|視界を確保できない状態では走行しない
ワイパーが動かない、途中で止まる、異音や拭き残しが出る場合は、原因を確認せずに使い続けないことが大切です。
最初に安全な場所へ停車し、次の点を確認しましょう。
・雪や氷で凍結していないか
・落ち葉や異物が挟まっていないか
・ゴムが切れたり外れたりしていないか
・ガラスやゴムへ砂や汚れが付いていないか
・ウォッシャー液が残っているか
・ヒューズの位置と指定容量を確認できるか
・モーター音や不自然な動きがないか
凍結したワイパーを無理に動かすと、ゴム、アーム、モーターなどを傷める可能性があります。
また、乾いたガラスで作動させたり、ウォッシャー液が出ない状態でスイッチを操作し続けたりするのも避けましょう。
次のような場合は、ワイパーの使用を中止して点検や救援を依頼してください。
・雨や雪で前方を確認できない
・ワイパーがまったく動かない
・途中で止まる、左右の動きがずれる
・金属部分がガラスへ触れている
・焦げた臭いや煙が出ている
・指定容量のヒューズへ交換しても再び切れる
ワイパーが使えず視界を確保できない状態では、天候が弱まるまで安全な場所で待つか、ロードサービスへ相談しましょう。
中古車を購入するときは、ゴムの見た目だけでなく、前後のワイパー、ウォッシャー液、間欠・低速・高速作動、停止位置、異音、拭き残しまで確認することが大切です。
ワイパーは小さな装備に見えますが、雨や雪の日の安全に直接関わります。
「とりあえず動くから大丈夫」と判断せず、異常が続く場合は早めに販売店や整備工場で点検を受けましょう。
参考資料
・JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-natural/subcategory-snow/faq143
・JAF「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/cold-region
・トヨタ自動車「アクア 寒冷時の運転」
https://manual.toyota.jp/aqua/3133/hev/ja_JP/contents/rog1768817206163.php
・トヨタ自動車「アクア ワイパー&ウォッシャー(フロント)」
https://manual.toyota.jp/aqua/3133/hev/ja_JP/contents/idx1768814047800.php
・NEXCO中日本「事故・故障が発生したとき」
https://www.c-nexco.co.jp/safety/justincase/accident/

